納品データ形式について
今回の記事で解説する内容はこちらです。
- MOV形式とはなにか
- MOV形式のメリット
- MP4とMOV、AVIの違い
弊社のキャラクターアニメーションやアニメーションオーバーレイ制作サービスでは、MOV形式という動画形式で納品させていただくことがあります。(拡張子は.movとなります)
キャラクターアニメーション制作事例↓
こちらの動画はキャラクターアニメーションと背景を分割して制作されています。
その際キャラクターアニメーションは背景のない透明な情報を持ったデータです。
まさにこの透明な情報を持つことができる動画形式がMOV形式というわけです!
アニメーションオーバーレイ(配信画面の枠)の場合も同様に、背景にゲームの画面などを映す必要があるので、透過情報を扱うことができるMOV形式を用いることが一般的です。
他にも透明情報を扱える動画形式には「AVI」というものがありますが、AVIについてはこの後解説させていただきます。
ちょっと難しいです…
まだ理解できなくて大丈夫!このまま読み進めてください!
一般的な動画の形式とは
そもそも一般的に使われている動画の形式とはどんなものでしょうか?
こたえは「MP4」という形式で、おそらく皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
MP4形式はデータ容量も小さく、しかも高品質ということで現在主流の動画形式です。
しかし、MP4は透過情報を扱うことができません。
そこでMOV形式が登場するわけですが、MOV形式にはWindows標準プレイヤーで再生することができないというデメリットがあります。
その理由はMOV形式はMac専用に開発されたフォーマットだからです。
一方先ほど触れた「AVI形式」はMicrosoft社が開発したWindows用の動画形式になります。
じゃあAVIにすればいい気がするけど…
それでもMOV形式を選択する理由
Windowsで再生できないのにもかかわらず、AVI形式ではなくMOV形式を選ぶのには理由があります。
それは、AVIはMOVに比べ数倍データ容量が大きいからです!
しかも画質の差もほとんどありません。
今回記事を書くにあたって、とあるアニメーションデータをMOVとAVIで書き出し実験を行ってみました。
下記をご覧ください↓
その結果
AVI : 5.37GB
MOV⇒586MB
AVIの方がMOVよりも10倍近くデータが大きいという結果になりました!
つまりデータ管理も楽で、実用性が高いということになりますね!
すごい!でもWindowsでは再生できないですよね…
Windowsで使用する方法
さて肝心のWindowsで再生できない問題についてですが、弊社のキャラクターアニメーションやアニメーションオーバーレイなどは、商品の性質上、ゲームに組み込んだり、配信ソフトに読み込ませたり、動画編集ソフトに入れて使用されること前提に制作する場合がほとんどです。
そのため動画再生ソフトで再生できるどうかというのはあまり関係ないんですね。
上記のような用途で使用する場合、WindowsでもMacでも同じように使用していただくことができますのでご安心ください。
背景込みの特定のシーンを描写するようなキャラクターアニメーション作品の場合は再生して使用するという場合もありますので、Windowsをお使いの場合はMP4、Macの場合はMOV、AVIをご希望の場合はAVIという風にお客様のご要望に応じた形式でお渡しさせていただいています。
ただやはりプレイヤーで再生できないとなるとデータの確認にプレイヤー以外のアプリケーションだったりOBSなどを起動する手間はかかるので、納品前の確認データの送信はmp4形式でお送りさせていただくこともあります。
使用用途によって適切な動画形式は異なります!ご不明な点はしっかり説明させていただきますのでお気軽にご相談くださいね!
まとめ
MOV形式の特徴まとめ
- Apple独自のフォーマットでMacOS用の動画形式
- Windowsでは再生できない
- 透過データ(背景が透明)に対応
- AVI形式よりも大幅にデータ容量が小さい
- Windowsでも動画編集ソフトやOBSなどで使用可能
なんかわかったような気がします!
余談:画質の良し悪しについて(長いです…)
(少しここは難しいお話なので飛ばしていただいて構いません!)
AVIとMOVにほとんど画質の違いはないと言いましたが、実はこの書き方は正しくありません。
AVIやMOVというのはあくまでフォーマットで、簡単に言うと「動画データを入れる箱」のようなものです。
箱は外側であって中身ではないので、この箱自体は画質には関係がありません。
では何が画質などに影響するかと言うと、それは「コーデック」というものになります。
コーデックとは動画や音声を圧縮したり変換したりするプログラムの名前で、動画を制作し、完成したデータを書き出す時に指定するものです。
動画のコーデックでは「.h264」や「MPEG-4」「WMV」などがポピュラーです。
音声では「MP3」「AAC」などですね。
で、どれが一番画質がいいの?と聞かれると2Dアニメーション制作においては「どれもほとんど同じです!」が答えになると思います。
フォーマットやコーデック云々よりは、一番画質に影響を与えるのはイラストの制作サイズですので、ご用意していただくイラストサイズが大きければ大きいほど高画質で作ることが可能です。
その辺りも含めてまずはお気軽にご相談いただければと思います。
それでは!